朝日共販株式会社

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シータスのしらす

しらすの話

日の出を前に、豊後水道へと船出。漁師たちと海の真っ向勝負がはじまります。シンプルだからこそ、鮮度が命。漁から加工、そして出荷まで、佐田岬の鬼は厳しい目と熟練の技で、とれたてのおいしさを届けます。

Story1 海との真剣勝負 しらす漁

  • 1 日本屈指のしらすの漁場

    四国愛媛。その最西端にある佐田岬半島は、瀬戸内海と太平洋をつなぐ豊後水道に突出する日本一細長い半島です。その半島の中ほどにある小さな漁村に、朝日共販株式会社に所属する漁師たちは住んでいます。このあたりの海は遠浅でプランクトンが豊富。全国でも有数のちりめんしらすの漁場として昔から知られています。その歴史は江戸時代からと言われています。地引網で漁を行い、浜辺で天日干しをする光景は、漁村を象徴するものでした。

    宇和海の場所を示す地図イラスト

    佐田岬周辺で獲れるちりめんしらすは、カタクチイワシの稚魚。イワシは魚へんに弱いと書くぐらいですから、鮮度のあしが早いのは親ゆずり。その鮮度を守るためには漁から加工までのスピードが肝心ですが、幸いなことに、朝日共販の製造工場は沖の漁場の目の前。とれたてのちりめんしらすは20分ほどで製造工場に運ばれ、水揚げからわずか1時間あまりで加工できるという、全国でも珍しい海環境です。

    佐田岬周辺 ちりめんの漁場を示したイラスト

  • 2 夜明けとともに出港 海との戦いがはじまる

    朝日共販は、自社専属の漁師と漁船を持つ網元。福島大蔵船団長率いる「福善船団」の頼もしき漁師さんたちが、一手に漁を引き受けています。そして船団長はもちろん福島大朝社長自ら海に乗り出しています。船は機船船引き網(パッチ網)を3じょう所有しており、網船は6艘、漁場と港を行き来する運搬船6艘と12艘からなる船団。漁師さんたちは20代から30代が多く、後継者不足もなんのその。おいしい釜あげしらすをお届けする、この仕事に誇りを持っています。

    「福善船団」漁師さんたちの漁の様子

    漁は、日の出から日の入りまで。毎日12艘の船と20人の漁師たちが、この海で働いています。「日の出前には網が入っちょらんといかん」と言われ、その船が波をけたてて沖へと出ていくのは夜明けのこと。一日の中でも朝まじめ(朝一番)に獲れたちりめんが最高とされ、特に色の白さは格別だからです。「真風(まじ)」が吹くと魚が集まり、翌日の漁は大漁になるという。数々の修羅場をくぐり抜けてきた漁師たちは風を読み、潮を読み、今日も大漁を誓い、豊後水道へと船を出しています。

    網にかかるしらすを手にとる漁師たちの様子

  • 3 漁場から加工場へ 30分の戦い

    2艘の網船で約200メートルの機船船引き網を張り、遠浅の海、潮の流れにのってやってきたちりめんしらすをパッチ網漁法で捕らえます。そして、魚の鮮度は、海に網を入れ、水揚げした魚を船上に設けたイケマに入れるまでの時間で決まります。魚の量と海水、氷のバランスを瞬時に判断し、ブレンドするのが腕のいい漁師の仕事。獲った瞬間から、朝日共販の鮮度・品質管理は始まっているのです。

    イケマに入る水揚げされたしらすの様子

    ちりめんしらすは鮮度落ちのあしの早い魚。私たちはこの鮮度を逃がさないことに気を遣っています。漁師たちは日の入りまで漁場と港を1日に6~8回行き来し、とれたてを運びます。そして、港ではすぐに加工に取り掛かれるよう体制を整え、船の帰りを待ち構えて製造工場に運び込み、間髪入れずにしらすを釜あげにします。その間、漁からわずか30分。沖の漁場から港の近くにある製造工場までの近さと充実の設備により、このスピードを実現しています。

    製造工場に運び込まれるしらすの様子